ゼミ活動の基本は、各自の研究報告と討論です。そして最終的には論文の形に仕上げ、ゼミの論文集「PENSÉE(パンセ)」にまとめあげます。ゼミ活動の2番目の柱は、ゼミの論文集「PENSÉE(パンセ)」の編集・作成です。これらは、すべてゼミ生の自主的な作業によって担われています。

的射場敬一先生からのメッセージ

講義では「政治学史」、「政治思想研究」を担当していることからもお分かりだと思いますが、専門は西洋政治史および政治学です。専門としている領域は、ホッブス、ロック、ルソーという社会契約説を中心とした17世紀から18世紀の市民革命期の政治思想です。

西洋政治思想史や政治学に関心をもっている諸君の参加を希望しますが、かならずしもそれにはこだわりません。ゼミ参加の最低限の要件は、研究したいテーマがあること、それを報告し、論文にまとめる意欲のある人は、大歓迎です。


ゼミ生が語る的射場ゼミ

ONE FOR ALL, ALL FOR ONE
一人はみんなのために みんなは一人のために

人を思いやるということは、人生において非常に大きな比重を占めている。人は生涯を通じ常に自分以外の人間と関わり、様々な形で支えられているからだ。そういった人々に対し感謝の気持ちを持てない者は、いずれ日々の生活を営むことすら困難になるだろう。人生においてもっとも大切なことに気付かせてくれた場所、それが的射場ゼミである。

的射場ゼミに入り、初めて体験することになった論文作成は、非常に苦しいものであった。自らの突き詰めたいテーマを文章を通して人に伝えることの難しさや、自分の力の無さを痛感し、何度も挫折しそうになった。しかし、論文作成がうまくいかず落ち込んでいると、ゼミ生のみんなが明るく励ましてくれ、前向きな気持ちにさせてくれた。皆が支えてくれたからこそ、論文を書き上げることができたのだと思う。

論文が仕上がったことで解放されると思っていたのも束の間、さらなる困難が待ち受けていた。PENSÉEの編集作業である。ゼミが始まった当初は気にも留めなかったこの言葉が、10月には最も聞きたくない言葉になった。最初は何をするのかもよくわからず、簡単に作れるだろうと思い込んでいた。だが、仕事が進んでいくにつれ神経はすり減り、膨大な仕事の量と多大なプレッシャーからストレス性の不眠症になってしまった。体力的にも精神的にも追い込まれ、苦しい毎日を過ごしたが、全員が一丸となって協力してくれたおかげで無事に完成することができた。

論文もPENSÉEも、協力してくれた仲間がいなければ完成することはできなかったであろう。時には優しく、時には厳しい言葉でお互いを叱咤し励ましあう中で、相手を思いやることの大切さを知った。ゼミ生17名全員が欠けることなく、一人一人が互いを助け合いながら立ちはだかる苦難を乗り越えたことは、今後の人生において大きな自信となるだろう。

人生とは長い旅であると同時に、自らを成長させていくものである。時には辛い時や苦しむこともあるだろう。そんな時、支えてくれるのが仲間なのである。どんなに苦しい状況に直面しても、自分を理解し、支えてくれる仲間がいれば必ず乗り越えられる。的射場ゼミに参加することによって、人生を生き抜くうえで人として最も大切なことを学ぶことができた。日頃から自分を支えてくれている全ての人々に感謝の気持ちを抱き、これからの人生を歩んでいこうと思う。

(荒木英昌(PENSÉE VOL.17編集後記より抜粋))